MBM

ドイツのダルムシュタットに本拠を構え、最高のクラシック音楽の録音を専門とする MBM (Mielke Bergfeld Musikproduktion OHG) は、1998 年にトーンマイスター/ レコーディングプロデューサーであるオラフ・ミエルケ氏(Olaf Mielke)とトーンマイスター/ダルムシュタット応用科学大学の音楽制作、ポストプロダクションおよび音楽音響学の教授であるモリッツ・バーグフェルド氏(Moritz Bergfeld)によって設立されました。

「モリッツと私は二人ともデトモルド音楽大学に行きました。そこで音響技術の学生だった私たちは、すでにサウンドエンジニアとして独自のビジネスを立ち上げたいと決めていました」とオラフ・ミエルケ氏は回想します。MBM 社は、物理的な媒体でのレコード音楽の売上が激減したために、大手レコード企業が音楽プロジェクトを大幅に削減した頃に設立されました。それと同時に、デトモルドとベルリンの大学は、比較的多くの音響技術学の卒業生を世に送り出していました。「私たちは理想主義的で楽観的でした」と MBM の設立について話すオラフ・ミエルケ氏は語ります。このリスクを伴うベンチャーに乗り出すには、確かにかなりの勇気が必要でした。

サービスプロバイダーおよびレーベル事業者としての MBM


若い起業家たちを助けたのは、音楽がストリーミングなどの他の形式で配信される傾向が増加したことと、その傾向が続いたことでした。「今、かつてないほど多くのレコーディングが制作されています」と、オラフ・ミエルケ氏は指摘します。レコード会社、ラジオ局、映画・テレビプロデューサー、ミュージシャン、音楽フェスの運営者から受注しています。皆、独自で野心的なプロジェクトを開始したがっているのです。20年以上にわたる無数のプロジェクトを経たのち、会社を設立する決定が正しかったことは明らかでした。MBM が提供するサービスには、国際的な需要が高まっているからです。ドイツや近隣諸国では、ニーズに合わせて装備を整えたOB車で定期的に現地録音に出かけています。MBM にはポストプロダクションスタジオもありますが、同社は現地録音を専門としています。

MBM の主要なクラシック音楽ポートフォリオの 1つは、歴史的な楽器をそれが初めて演奏された場所で録音する「初期の音楽」です。現在ではこれに大きな需要があります。MBM は主に自社をサービスプロバイダーであると考慮し、同時にレーベル事業者としても活動しています(Coviello Classics)。

「クラシックのトーンマイスターとして、可能な限り自然でオリジナルに忠実なニュアンスを持つサウンドを捉えたいと思っています」とオラフ・ミエルケ氏は彼の信条を説明します。「この観点から、 Sennheiser と Neumann デジタルマイクロホンは、例外的に優れた解像度を持ち、非常に魅力的だと感じています。」

MKH 8000 シリーズ:原音に忠実な自然なサウンド


ミエルケ氏によると、MBM は 8 本の Sennheiser MZD 8000 デジタルモジュール、9 本のデジタル Neumann KM D 出力ステージ、 3 本のデジタル Neumann D-01 大型ダイアフラムマイクロホンを所有しています。MBM は現在、デジタルマイクロホン用に 2 台の RME DMC 842 インターフェース / コントローラーを使用しています。まもなく3 台目の機器を追加する予定です。これが実現すると、例えば、デジタルマイクで 24 構成の小編成オーケストラを完全にレコーディングすることが可能になります。

オラフ・ミエルケ氏 は Sennheiser MKH 8000 シリーズのファンであることを告白しています:「MBM にとって、Sennheiser MKH 8000 シリーズは優先すべき製品です。8000 シリーズが利用可能になる前は、私たちは Neumann 初のモジュール式小型ダイアフラムマイクロホンシステムから、多くの製品を購入していました。今日に至るまで、カプセルと出力段は問題なく役目を果たしています。ノイマン製の在庫には拡散音場均等化機能付き圧力レシーバーも含まれています。私たちは、現在 Sennheiser 8000 シリーズからの 16 本のマイクロホンを所有しています:MKH 8040 カーディオイド 10 本、8020 オムニ 2 本、8050 スーパーカーディオイド 2 本、ワイドカーディオイド収音パターン付き 8090 2 本です。」

Sennheiser MKH 8000 シリーズのマイクロホンの数多くの利点の 1つは、10 Hz 未満から 50 kHz 以上に及ぶ幅広い周波数特性です。MBM は、この広大な周波数範囲を録音し、処理するために、可能な限り、96 kHz のサンプリングレートでワード長 24 ビットのオーディオワークフローを利用しています。また、一部のプロジェクトでは、192 kHz を使うこともあります。唯一の例外はラジオと映画の制作で、従来 48 kHz のサンプリングレートが推奨されています。MBM はドイツ、日本、米国の一部のお客様にも 5.1 サラウンドサウンドフォーマットで制作を行っています。また、Dolby Atmos などのフォーマットを使用して、イマーシブオーディオのレコーディングの可能性を真剣に考えています。

「20年以上のビジネス経験を経ても、モリッツと私は今でも、自分たちの仕事に大いなる情熱を注いでいます」とオラフ・ミエルケ氏は言います。「 私たちにとって、録音は必要な仕事ではなく、純粋に、単純に生活そのものなのです !」